【SWC2016 part4】甲斐崎博史さんのご紹介です。

SLiiiCスタッフ中務です。さて巷では「歴史に残るであろう」との噂も飛び交っている(!)今年のSLiiiCサマー・ワーク・キャンプ。その講師としてお招きしたお二人のうち、今回は甲斐﨑博史さんについて私なりにお伝えしてみたいと思います。

 

甲斐崎博史さんプロフィール
小学校において、アドベンチャー教育をはじめとする体験学習法をベースにしたクラスづくり、学びの場づくり(子ども・教員両方)の実践研究に取り組む。西東京市立栄小学校教諭。西多摩PACE主宰。


実は講師として甲斐﨑さんをお願いすることになったときにブログ(もぐらのさんぽ)を書かれていることを知り、どんな方なのか知りたいと思いのぞいてみました。すると、西多摩PACEという勉強会を定期的に実施されていることがわかり、その時のテーマが多少なりとも関心のあったライティング・ワークショップだったこともあって、即申し込み参加させていただいたのです。


初めての場所(狭山市民センター)、どう考えても教員が大半と思われる誰も知り合いのいない所での学びということで、少々緊張しながらのスタートでした。ところが、スタッフの自己紹介の後に始まったのは、お話し会などでは定番の手遊び。手遊びといってもあなどるなかれ、やってみると自分の頭の硬さや反応の鈍さに思わず苦笑・・・でもこれで緊張していた気持ちがフッとほぐれるのがわかりました。お二人の方が教員の立場からワークショップを交えた実践報告をされました。


お昼を挟んで、1グループ4~5名に分かれると、いよいよ甲斐﨑さんの登場です。

Twitterの紹介にもあるように「プロジェクト・アドベンチャーが私の核です。なんでも体験学習法にしちゃいます。」とおっしゃる甲斐﨑さんが、その方法の一つとしてライティング・ワークショップ(Writing Workshop 以下WWと表記)と出会ったのは9年前だったそうです。将来書きつづけるための授業として、その後実践を重ねてこられました。その前提となる子ども観は「子どもは主体的に学んでいける存在である」ということ。子どもの育つ力をどこまでも信じておられる方だと感じました。


ぱっと見ると大柄でちょっと怖い感じもするかもしれませんが、この研修中も参加者の子どもに対して、実に楽しそうに接していました。(その間、参加者は課題としてだされたエッセイの課題集めや下書き、修正に四苦八苦していたのですが・・・)


終わった後には他に何も考えられないほど頭を使ったと同時に、気持ちの良い満足感でいっぱいでした。WWを体験した子供たちも初めは大変だったかもしれないけれど、慣れるにしたがって充実した時間を楽しめているんだろうなぁ、甲斐﨑さんの授業を受けてみたかったなぁと思うようになりました。

 


 そして、2回目にお会いしたのが、先日の打ち合わせ@居酒屋です。私達より先に着いて、気持ちよさそうに労働後の一杯を召し上がっておられましたが、いざ打ち合わせが始まると、その姿からは想像できない熱い想いがポロポロとこぼれてきます。図書の時間に内職している教員に対して「みんなチャレンジャーだなぁ。」国語の授業についても「読書に対する目的が違う、読解が目的になっている。」


 でもこの言葉の陰には本の面白さをもっと教員に知ってほしいという願いが込められているのです。岩瀬さんと共に活動するようになったきっかけが、黒木秀子さんのアニマシオン研修だったそうです。8H×5回という、聞いただけでも頭の中が沸騰しそうな講座で本に目覚めたとのこと。目覚めていただいてよかった!しかし、世の中はなかなかうまくいかないもので、とても残念なことに学校司書との連携は今までその機会がなかったとのことでした。先日のWW研修でも感じたことですが、そこで使った絵本について著作権の点から問題がなくもないような・・・(歯切れが悪すぎ)。もし、学校司書との関係がきちんとできる環境にあったら対応も違っていただろうなと思います。

 


 その点からも今回のサマーワークキャンプは教員、学校司書ともに次のステージに進むための第1歩となるのではないかと確信すると同時に、当日皆様にお会いできるのを楽しみにしております。

 

  • 体験学習とは

http://www.erc.pref.fukui.jp/sogo/d215/html/guide_2-1-1-3.html

 


  • ライティング・ワークショップとは


  • ラルフ・フレッチャー&ジョアン・ポータルピ著,吉田新一郎・小坂敦子 訳『ライティング・ワークショップ』新評論,2007.